三浦醸造所

自然の恵みに感謝し、共に育て、作り味わうこと、
想いを伝えあうことを大切に。

七十年の時を経て、夢の醤油復活

当醸造所では、嘉永年間の創業時から阿波のねさし味噌と濃口醤油の醸造を開始し、地元の古い数え歌にも♪六つむらいさんくの味噌・醤油♪と歌われ、地域の皆様に親しまれておりました。しかし、太平洋戦争期に原料の調達が困難になり、先代の杜氏は断腸の思いで醤油醸造を中止するに至りました。現在の杜氏である五代目は、その復活を目指して醤油醸造の研究に打ち込むとともに、15年に及ぶ歳月をかけセルフビルドによる醸造蔵を建設し、70年以上の時を経て、長年の夢であった醤油醸造の再開を果たすことができました。

昔、それぞれの家で手作りしていた頃のお醤油のような、素朴で豊かな味わいを表現したい……。そんな思いを込めて杜氏が作り上げた醤油は、国内産丸大豆と国内産小麦、オーストラリアの天日塩を原料に用い、常温で2年間じっくりと熟成させたもろみを一回だけ搾った、ぜいたくな一番しぼりのみの醤油になりました。当所の創業者・三浦村次の愛称である「むらいさん」にちなみ、また、5代目の30年越しの夢が形になった醤油に万感の想いを込めて「夢來(むらい)」と名づけました。

しっかりとした濃厚な味わいとその後に残るやわらかな甘みを持つ、昔ながらの濃い口醤油。刺身や冷奴などのつけ醤油、餅やとうもろこしの焦がし醤油、アイスクリームに一滴など、様々な料理でお楽しみください。

一番しぼり限定醤油 夢来

一番しぼり限定醤油 夢来は、国産丸大豆・国産丸麦とにがり成分を多く含んだ食塩を原料に使用し、約2年間蔵のなかで、櫂入れをしながらゆっくりと自然発酵させ製造します。
醸造の行程は次の通りです。

  1. 精選した小麦を直火で焙煎する。
  2. 焙煎した小麦が冷めたら、粉砕機で軽く割砕(小麦をひき割る)する。
  3. 大豆の浸漬(大豆を水に浸して充分な水分を含ませる)
  4. 大豆をザルに上げて充分水気を切り、こしき(大きなせいろ)に入れて蒸す。
  5. 蒸し上がった大豆と、ひき割り小麦を、乾物重量比1対1の割合で混ぜる。
  6. 40℃位に冷めたら麹菌を入れて種付けをする。
  7. 取り込み(製麹機に6.を入れる)を行う。
  8. 4日目に出麹(製麹機から出来上がった醤油麹を取り出す)
  9. 8.を稲藁で作ったむしろの上に薄く(5㎝くらい)に広げ、1週間くらい枯らし(常温で充分に発酵させる)を行う。
  10. 汲み水歩合・十一水(原料容積の1,1倍の水量)の水を用い、ボーメイ比重計で20度の塩水を作る。
  11. 出来た塩水に醤油麹を仕込み、櫂入れ(竹と木で造られた「櫂棒」を使って撹拌する)をしながら諸味を発酵させる。
  12. 約2年後、諸味を絞り袋に入れて1回だけ圧搾する。
  13. 12.で垂れてきた生揚げ醤油(一般にいう「生醤油」)を桶に入れて、2~3日置くことにより、醤油よりも少し薄茶色の生澱(なまおり:生醤油の澱)を沈殿させる。
  14. 上澄みの生醤油を約55℃に温めて再び桶に移す。
  15. 2~3日静かに置き、桶の底に固形の火入れ澱(ひいれおり:醤油の澱)を沈殿させる。
  16. 上澄み(醤油)を瓶詰めする。

粉砕機での小麦割砕

大豆の浸漬

醤油麹の製造作業

上記のような醸造法により、長期熟成天然醸造の醤油を仕込んでおります。

一番しぼり限定醤油 夢來(むらい)(明治神宮奉献品・とくしま特選ブランド認定商品)

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